HTML5が廃止されてHTML Living Standardが標準となりました

HTML5が廃止された経緯について

HTML5が廃止とは

2021年1月にW3CがHTML Living Standardを正式な勧告として発表しました。
これにより、HTMLT5は廃止となりました。

HTML5誕生の経緯:W3CとWHATWG

HTML5は当初、W3C(World Wide Web Consortium:World Wide Webの国際的標準化機関)が主導で策定しており、2011年にドラフト最終版を定義しました。
しかし、W3Cが現場の要望を無視しているという不満から、Apple・Mozilla・Operaによって2004年に「WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)」を設立しました。
さらに、Webブラウザを開発している各社は、独自の機能をWebブラウザに組み込んでいるため、HTML仕様のさらなる改善を要求していました。
そのような状況のもとで、様々な要望を取り込んで生まれたのがHTML5です。

HTML5仕様の分裂

当初こそW3CとWHATWGは仕様策定などで共同開発をしていましたが、共同開発を進めるうちに考えの違いなどで徐々に乖離していきます。
WHATWGは2011年に「HTML Living Standard」を開始しました。
W3Cは2012年には共同開発を中止し、2016年に「HTML 5.1」を独自に勧告しました。
これにより、2つの仕様が併存する状況となりました。

W3CからWHATWGへ

W3C と WHATWG はそれぞれ独自の要素を付け足すなどして、両組織のHTMLが徐々に乖離します。
さらに、主要ブラウザがW3Cに準拠せず、HTML Living Standardを標準仕様として採用したことにより、W3Cは独自のHTMLの標準化を断念しました。
その結果として、HTML5およびW3Cが決めてきたHTMLの規格は全て廃止となり、HTMLの標準仕様はW3CでなくWHATWGが取り決めることになりました。


HTML Living Standard

HTML Living Standardとは

HTML Living Standardとは、2019年よりHTML技術仕様の標準規格です。
HTML Living Standardはバージョンの概念を持たず、内容が日々改訂されていき、改訂されたその時点からその内容が標準となります。
そのため、随時公式サイトで仕様を確認していく必要があります。


HTML5とHTML Living Standardの違い

基本的なHTMLを書く上では大きな違いはありません。
いくつか追加・変更・廃止された要素や属性がありますが、基本的にHTML5の記述が問題なく使えます。

HTML Living Standardの書き方

HTML文書の文字エンコーディングに UTF-8 を使うことが公式に明文化されました。UTF-8でファイル保存する点に注意ください。


<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width,initial-scale=1"">
  <link rel="stylesheet" type="text/css" href="css/stylesheet.css"">
  <link rel="icon" href="image/favicon.ico"">
  <title>HTML Living Standard</title>
</head>

<body>
  <h1>Page title</h1>
  <p>description ...</p>

  <script src="js/scripts.js"></script>
</body>
</html>


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