ソフトウェアライセンス
ソフトウェアライセンス (software license) について
ソフトウェアライセンスとは
ソフトウェアライセンスは、ソフトウェア・プログラムを利用する際の制限や条件を示した取り決めです。
以下のようなソフトウェア利用者の遵守すべき事項が定義されます。
- ソフトウェアの商用利用に際するライセンス料の支払い
- ソフトウェアを利用できる人数(またはコンピュータの台数)
- ソフトウェアの利用可能期間
- 特定の利用方法の禁止(プログラムの改変や逆コンパイルなど)
ライセンスの効力について
ソフトウェアライセンスは、各国の著作権法に基づくソフトウェアの利用許諾契約の一部として取り扱われます。
ソフトウェアライセンスに反してソフトウェアを使用することは、ソフトウェア作者の著作権を侵害するものとして、著作権法に反する不法な行為とみなされます。
なお、ソフトウェアは著作物であるため、有償/無償に関わらず、ソフトウェアの利用を著作権者が許諾する条件を決めることができます。
無償で利用可能なソフトウェアであっても、ソフトウェアライセンスは存在しており、そのソフトウェアは著作権者の想定する条件内で利用することが必要となります。
ライセンス違反について
ライセンスの効力は著作権の強制力に依存します。
そのためライセンス違反は、ライセンスの推進団体や著作権保持者などから民事訴訟を起されない限り法的に罰せられることはない。
また、ソフトウェアのライセンスへの同意は、利用者と開発者の間で交わされるものです。
ソフトウェアの利用者でない人からのソースコード開示などの要求は強制力がありません。
ソフトウェアライセンスの種類
パブリックドメイン(PB)
パブリックドメインは、著作権を完全に放棄したライセンスです。
ただし、日本の著作権法には概念がないため、扱いがあいまいです。
- プログラムの利用(商業利用)や配布についての制限がありません。
- 改変したプログラムに対して、自らの著作権を取得することができます。
- 単なる複製物に対しても、定義上では自分名義で著作権を取得することができます。
NYSL
煮るなり焼くなり好きにしろライセンスです。
日本での法の運用に基づいて記述されている、自由な利用を可能とするライセンスです。
詳細はNYSLを参照。
(参考:CC0)
BSDライセンス(Berkeley Software Distribution License:旧BSDライセンス)
BSDライセンスは、開発者や著作者の明記を行う限り、再配布が可能なライセンスです。
プログラムの利用や改変は自由であるが、再配布物にはBSDライセンスを継承的に適用されます。
条件を遵守しているならば、商用非商用問わず利用することができ、ソースコードの公開も義務付けられていません。
基本的には、公開時に英文で書かれた原文を同時に梱包しておくことで、ライセンスの規約を満たすことになります。
- ソースコードを再頒布する場合、著作権表示、条件一覧、記免責条項を含めること。
- 原文をそのまま掲載する。
- バイナリ形式で再頒布する場合、頒布物に付属のドキュメント等の資料に、著作権表示、本条件一覧、下記免責条項を含めること。
- 原文をそのまま掲載する。
- 再配布する場合、利用プログラムの開発者を広告に明記しなければならない。
- 原文をそのまま掲載する。
修正BSDライセンス(New BSD License)
旧BSDライセンスから、広告条項を撤廃したライセンスです。
利用したプログラムの開発者・開発組織を明記しなくとも良くなりました。
MITライセンス(X11 License、X License)
BSDライセンスを元に作られたBSDスタイルのライセンスの1つであり、最低限の著作権の保護を保障するライセンスです。
「修正済みBSDライセンス」とほぼ同条件のライセンスになります。
以下の項目を遵守しているならば、再配布に制限はありません。
- プログラムの利用や改変は自由。
- 再配布物にはMITライセンスを適用しなければならない。
- 指定の文章によって著作権者と著作権者は何ら責任を負わないということを明記すること。
GNU GPL(GNU General Public License)
GPLは、ソースコード配布とGPLライセンスの継承を義務付けたライセンスです。
商用非商用問わず利用することができますが、GPLのソースコードを組み込んだ時点で、製品がGPLライセンスになります。
GPLではソフトウェア利用者からのソースコードの公開要求を拒むことはできないため、基本的には商用に向きません。
GNU LGPL(GNU Lesser General Public License)
LGPLは、動的リンクによるプログラムの利用について定義したライセンスです。
他のプログラムにリンクするという利用法であるライブラリなどでは、GPLでは強制力が強すぎるため、新たに設けられたライセンスです。
LGPLプログラムをライブラリとして動的リンクで活用するプログラムについては、リバースエンジニアリングを許可するという条件をつける限り、ソースコードを公開しなくとも良いという条件です。