AIXクラスタ設定
AIX PowerHA(HACMP)の設定について記述します。
Total Storage(DS4000 Storage Manager)を利用します。
共有ディスク設定
インストール
Total Storage(DS4000 Storage Manager)共有ディスクへのクライアントをインストールして、共有ディスクを認識させます。
lslpp -ah SMagent.aix.rte
lslpp -ah SMclient.aix.rte
lslpp -ah SMruntime.aix.rte
lslpp -ah SMutil.aix.rte
設定が認識されないような場合が頻発します。
設定が認識されない場合には、AIXを再起動(リブート)すれば直ることが多いと感じる。
共有ディスク(ファイルシステム)の作成
ストレージ装置にノードを接続し、システムを再起動するか、cfgmgrコマンドを実行して、共有するディスクをノードに認識させます。
# shutdown -Fr (再起動)
# cfgmgr -v
以下の2つのオンプションを指定して、ボリュームグループを作成します。
【オプション1】
システム再起動時にボリュームグループが自動的に活動状態とならないように指定 (AUTO ON = no) する。
( mkvgコマンドに -n オプションを指定します。)
【オプション2】
ボリュームグループのメジャー番号を指定します。
(mkvgコマンドに -V 【メジャー番号】 オプションを指定します。)
クラスタを実施する各ノードで、共有するボリュームグループでは同じメジャー番号でなければならないので、各ノードで使用されないメジャー番号を指定する必要があります。
# mkvg -n -V 70 -y vg2 -s 64 hdisk2
・作成したボリュームグループに論理ボリュームを作成します。
# mklv -y lv2 -b n -t jfs2 vg2 20 hdisk2
・作成した論理ボリュームにファイルシステムを作成します。
# crfs -v jfs2 -d lv2 -m /mnt
・ファイルシステムを作成したボリュームグループを活動停止にします。
# varyoffvg vg2
ファイルシステムのインポート
ストレージ装置にノードを接続し、ノードを再起動するか、cfgmgr コマンドを実施して、共有するディスクをノードに認識させます。
# shutdown -Fr (再起動)
# cfgmgr -v
ボリュームグループをインポートします。
このとき、ボリュームグループを作成するときに指定したメジャー番号を指定します。
ボリュームのメジャーバージョンは「ls -l /dev」からわかる。
# importvg -V 70 -y vg2 hdisk2
インポートしたボリュームグループの設定を変更します。
インポートしたボリュームグループは、作成したボリュームグループの設定に関わらず、システム再起動時にボリュームグループが自動で活動状態になる設定(AUTO ON = yes)になってしまうためです。
# chvg -a n vg2
インポートしたボリュームグループを活動停止にします。
# varyoffvg vg2
ネットワーク設定
通常アクセス用IPアドレス
通常時のノードへのアクセスにしようするためのIPアドレスです。
ハートビート用IPアドレスと同じサブネットマスクを指定しなければなりません。
aix2.local.co.jp 10.17.17.215/255.255.255.0
aix1.local.co.jp 10.17.17.214/255.255.255.0
ハートビート用IPアドレス
クラスター実行時にノード間でお互いの状態を監視するために使用するIPアドレスです。
通常アクセス用IPアドレスと同じサブネットマスクを指定しなければなりません。
aix2_boot1 192.168.6.59/255.255.255.0
aix1_boot1 192.168.6.58/255.255.255.0
サービスIPアドレス
クラスター実行時にアクティブになっているノードにアクセスするために使用するIPアドレスです。ノードがテイクオーバーした場合、サービスIPアドレスは新たにアクティブになったノードで有効になります。
各ノードの通常アクセス用IPアドレスと違うサブネットのIPアドレスを指定しなければなりません。
1つのクラスターで1つのサービスIPを用意します。
aix3 10.17.17.213
/etc/hostsファイルの設定例は以下のとおりです。
# HACMP settings
10.17.17.214 aix1
10.17.17.215 aix2
10.17.17.213 aix3
192.168.6.58 aix1_boot1
192.168.6.59 aix2_boot1
192.168.6.60 aix3_srv
クラスターノードの追加
1 - 「smitty hacmp」を実行します。
2 - 【初期化および標準構成】を選択します。
3 - 【HACMP クラスターへのノードの追加】を選択します。
4 - クラスターへのノードの追加の設定を行い、実行します。
・「クラスター名」を入力します。(任意)
・「新規ノード」を選択します。
HACMP クラスターへのノードの追加
[入力フィールド]
* クラスター名 [aixcls]
新規ノード (選択された通信パス経由) [aix1_boot1 aix2_boot1]
現在構成済みのノード []
サービス IP アドレスの追加
1 - サービス IP アドレスの追加画面を表示させます。
2 - 「smitty hacmp」を実行します。
3 - 【初期化および標準構成】を選択します。
4 - 【高可用性を持つリソースの構成】を選択します。
5 - 【サービス IP ラベル/アドレスの構成】を選択します。
6 - 【サービス IP ラベル/アドレスの追加】を選択します。
7 - サービス IP ラベル/アドレスの設定を行います。
・「IP ラベル/アドレス」を入力します。(任意)
・「ネットワーク名」を選択します。自動生成されているネットワーク名を選択する必要があるので、F4を押してリストの中から選択する。
サービス IP ラベル/アドレスの追加
[入力フィールド]
* IP ラベル/アドレス [aix3]
* ネットワーク名 [net_ether_01(10.17.17.0)]
アプリケーション・サーバーの追加
1 - 「smitty hacmp」を実行します。
2 - 【初期化および標準構成】を選択します。
3 - 【高可用性を持つリソースの構成】を選択します。
4 - 【アプリケーション・サーバーの構成】を選択します。
5 - 【アプリケーション・サーバーの追加】を選択します。
6 - アプリケーション・サーバーの設定を行います。
・「サーバー名」を入力します。(任意)
・「始動スクリプト」を入力します。各ノードでクラスタを始動するときに実行したいスクリプトを指定してください。
・「停止スクリプト」を入力します。 各ノードでクラスタを停止するときに実行したいスクリプトを指定してください。
アプリケーション・サーバーの追加
[入力フィールド]
* サーバー名 [aixapp]
* 始動スクリプト [/home/HACMP/aix3/begin.sh]
* 停止スクリプト [/home/HACMP/aix3/end.sh]
リソースグループの追加
1 - リソースグループの追加画面を表示させます。
2 - 「smitty hacmp」を実行します。
3 - 【初期化および標準構成】を選択します。
4 - 【HACMP リソース・グループの構成】を選択します。
5 - 【リソース・グループの追加】を選択します。
6 - リソースグループの設定を選択して、実行します。
・「リソース・グループ名」を入力します。(任意)
・「参加ノード 」を選択します。
リソース・グループの追加
[入力フィールド]
* リソース・グループ名 [aixres]
* 参加ノード (デフォルトのノード優先順位) [aix2 aix1]
始動ポリシー ホーム・ノードのみで >
フォールオーバー・ポリシー リスト中の次の優先順 >
フォールバック・ポリシー リスト中のより高い優
フォールバックしない
リソースグループの設定
1 - 「smitty hacmp」を実行します。
2 - 【初期化および標準構成】を選択します。
3 - 【HACMP リソース・グループの構成】を選択します。
4 - 【リソース・グループのリソースの変更/表示 (標準)】を選択します。
5 - リソースグループの設定を選択して、実行します。
・「サービス IP ラベル/アドレス」を選択します。
・「アプリケーション・サーバー」を選択します。
・「ボリューム・グループ」を選択します。
・「ファイルシステム」を選択します。
リソース・グループのリソースおよび属性をすべて変更/表示
フィールドの値を入力または選択してください。
変更を完了したら ENTER キーを押してください。
[入力フィールド]
リソース・グループ名 resgrp
参加ノード (デフォルトのノード優先順位) aix2 aix1
始動ポリシー
フォールオーバー・ポリシー
フォールバック・ポリシー
サービス IP ラベル/アドレス [aix3] +
アプリケーション・サーバー [appsv] +
ボリューム・グループ [clsdisk] +
必要な場合、ボリューム・グループの
強制 varyon を使用する いいえ +
ファイルシステム [/TotalStorage] +
(空の場合は指定した VG のすべて)
設定情報の同期
1 - 「smitty hacmp」を実行します。
2 - 【拡張構成】を選択します。
3 - 【拡張検証および同期化】を選択します。
HACMP 検証および同期化
フィールドの値を入力または選択してください。
変更を完了したら ENTER キーを押してください。
[入力フィールド]
* 検証、同期化または両方 [両方]
* 検証中に検出されたエラーを自動的に訂正する [はい]
* 検証が失敗した場合、同期化を強制する [いいえ]
* 変更のみを検証する [いいえ]
* ロギング [標準]
クラスターの起動
1 - 「smitty hacmp」を実行します。
2 - 【システム管理 (C-SPOC)】を選択します。
3 - 【HACMP サービスの管理】を選択します。
4 - 【クラスター・サービスの始動】を選択します。
5 - 「クラスター・サービスを始動するノード」を選択して、実行します。
クラスター・サービスの始動
フィールドの値を入力または選択してください。
変更を完了したら ENTER キーを押してください。
[入力フィールド]
* 即時始動、システム再始動時に始動、あるいは両方 即時
クラスター・サービスを始動するノード [node1 node2]
始動時にメッセージをブロードキャストする はい
クラスター情報デーモンを始動する いいえ
強制終了後にリソースを再獲得する いいえ
クラスタ起動確認
# lssrc -g cluster
Subsystem Group PID Status
clstrmgrES cluster 430240 活動状態
clinfoES cluster 581666 活動状態
/usr/es/sbin/cluster/utilities/clRGinfo
aixres ONLINE aix2
OFFLINE aix1
クラスタ起動関連コマンド
起動
/usr/es/sbin/cluster/utilities/clstart
停止
/usr/es/sbin/cluster/utilities/clstop
ノード情報表示
/usr/es/sbin/cluster/utilities/cltopinfo
プロセス情報表示
/usr/es/sbin/cluster/utilities/clshowsrv -v
リソース情報表示
/usr/es/sbin/cluster/utilities/clshowres
モニターリソース
アプリケーションの設定を行います。
1 - 「smitty hacmp」を実行します。
2 - 【拡張構成】を選択します。
3 - 【拡張リソース構成】を選択します。
4 - 【HACMP 拡張リソース構成】を選択します。
5 - 【HACMP アプリケーション・サーバーの構成】を選択します。
6 - 【HACMP アプリケーション・モニターの構成】を選択します。
7 - 【プロセス・アプリケーション・モニターの構成】を選択します。
8 - 【プロセス・アプリケーション・モニターの追加】を選択します。
プロセス・アプリケーション・モニターの追加
フィールドの値を入力または選択してください。
変更を完了したら ENTER キーを押してください。
[入力フィールド]
* モニター名 [app1monitor]
* モニターするアプリケーション・サーバー servername +
* モニター・モード [長期モニター] +
* モニターするプロセス [app1]
* プロセス所有者 [root]
インスタンス・カウント [1] #
* 安定化間隔 [180] #
* 再始動カウント [0] #
再始動間隔 [0] #
* アプリケーション障害時のアクション [fallover] +
通知メソッド []
クリーンアップ・メソッド []
再始動メソッド [/home/HACMP/aix3/begin.sh]
※注意
モニター名はアプリサーバ名と同一である必要はない。
モニターするプロセスは「ps -el」コマンドによって表示される名前を使用。
プロセス所有者は、実行ユーザのUIDを指定。
1サーバ上に複数のサイトを作成する場合、インスタンス・カウントを適宜変更する必要があります。
「run_clappmond」プロセスがアプリケーションモニターです。
ps -ef | grep clappmondの結果文字が出力されたら軌道していると見なしてよいです。