コンフリクトマネジメントについて
コンフリクトマネジメントとは
コンフリクトマネジメント(Conflict management)とは
コンフリクトマネジメントとは、プロジェクトチーム内で発生する対立(Conflict)を解消するための管理です。
チーム内の対立や人間関係の悪化は、チームの生産性を低下させるため、PMは解消に向けた施策を実施する必要があります。
コンフリクトマネジメントを行う際の指針として、「コンフリクトの解決に当たっては、過去の経緯ではなく現在の課題に焦点を当てる」という原則があります。
これは、個人の人間性や過去の経緯を問題にせず、互いの利益やニーズを満たすために創造的に問題を解決していくための指針となります。
コンフリクト(Conflict)とは
コンフリクトとは、異なる意見や要求などがぶつかりあっている緊張状態のことです。
コンフリクト(Conflict)は英語で、葛藤・衝突という意味です。
また、プロジェクト(仕事)におけるコンフリクトは、「タスクコンフリクト」「プロセスコンフリクト」「関係性コンフリクト」の3種類に分類されます。
名前 | 説明 |
---|---|
タスクコンフリクト(Task Conflict) |
組織的課題に関する意見の対立のことです。 つまり、仕事の内容に関する意見の相違やアイデアの衝突のことを指します。 前向きな意見対立であり、企業に新たな価値をもたらします。 |
プロセスコンフリクト(Process Conflict) |
権限、責任、資源配分などに関する意見の対立のことです。 つまり、仕事の進め方について対立しているということを指します。 違いや対立を調整していく中で組織活性化を促進することが可能であり、生産的な対立です。 |
関係性コンフリクト(Relational Conflict) |
人間関係から生じる感情の対立のことです。 つまり、好き嫌いなど、非合理な感情によって人間関係が悪化している状態を指します。 組織活動の効率性や生産性を低下させる非生産的な対立です。 |
トーマス・キルマン・コンフリクト・モード検査
トーマス・キルマン・コンフリクト・モード検査(TKI:Thomas–Kilmann Conflict Mode Instrument)とは
トーマス・キルマン・コンフリクト・モード検査(以下TKI)とは、人間関係のコンフリクト(対立)を分析・解決するための検査ツールです。
TKIは、1974 年にピッツバーグ大学(米国ペンシルベニア州)のケン・トーマス氏とラルフ・キルマン氏によって提唱された手法です。
TKIは、コンフリクトが起きたときに「自分の意見を重視する」か「他人の意見を重視する」でX軸とY軸を構成し、解決に向けた手法を分類します。
この分類は、「二重関心モデル」や「トーマス・キルマン・モデル」と呼ばれます。
分類 | 説明 |
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Competing(競争的) |
自己主張が高く協調性が低いスタイルであり、個人は他人の目標よりも自分の目標を優先します。 迅速な決定が必要な緊急の状況では効果的ですが、過度に使用すると人間関係や信頼にひずみが生じる可能性があります。 |
Accommodating(受容的) |
自己主張が低く協調性が高いスタイルであり、自分の利益を主張するよりも、人間関係を維持し、他人のニーズを満たすことを優先します。 自己主張するほど重大ではない問題に対応する場合に適しています。 |
Avoiding(回避的) |
自己主張と協調性が低いスタイルであり、対立する状況そのものを回避、先送り、先延ばしにします。 このアプローチは、時間が経つにつれて未解決の問題や緊張した関係につながる可能性があるため、一般的は推奨されません。 |
Collaborating(協力的) |
高い自己主張と高い協調性が特徴的なスタイルであり、関係者全員に利益をもたらす「win-win」の結果を目指します。 目標が一致し、緊密に協力することで最適な結果を達成できる場合が理想的です。 |
Compromising(妥協的) |
適度な自己主張と協力を示すスタイルであり、全員のニーズを部分的に満たす妥協点を見つけることを目指します。 このアプローチは、双方が前進する必要があり、個人の好みよりも合意に達することを重視する場合に適しています。 |