エニグマ暗号
エニグマ(enigma)暗号について
エニグマ暗号とは
エニグマは、1918年にドイツ人のアルトゥール・シェルビウスが発明した暗号化/復号化を行う機械です。
エニグマとはドイツ語で「謎」という意味です。
エニグマは回転する円盤と電気回路による暗号文の生成装置です。
以下のサイトでシミュレーションが可能です。
エニグマによる通信
エニグマは暗号化/復号化の両機能をもつ機械であり、送信者と受信者がそれぞれエニグマを保持します。
送信者はエニグマで平文を暗号化し、暗号文を無線で受信者に送信します。
受信者はエニグマを用いて、暗号文を復号化して平文を取得します。
エニグマは送信者と受信者で同一の鍵を使用する必要があります。
第2次世界大戦における国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP)は、国防軍鍵表を作成して「日替わり鍵」を準備して、エニグマの鍵を設定していました。
エニグマの構造
エニグマは換字要素として、「ローター」と「プラグボード」から構成されます。
プラグボードは「日替わり鍵」で設定され、文字列の変換対応を変化させます。
ローターは回転する円盤であり、一文字入力する毎に回転し、文字列の変換対応を変化させます。
簡単にいえば、あみだくじの道筋が動的に変化する暗号装置といえます。
エニグマの欠点
送信者と受信者の間で日替わり鍵を予め共有しておかなければならないことが挙げられます。
日替わり鍵が記載されたデータ(国防軍鍵表)が漏洩してしまうと解読の手がかりを与えることとなります。
エニグマは設計の面で「秘匿によるセキュリティ(security by obscurity)」を基本としていたため、
エニグマは鍵の生成や通信手順・運用(暗号化した日替わり鍵を通信確認用の鍵として用いていた)などの問題があったため暗号解読されています。