チームマネジメントについて
チームマネジメントとは
チームマネジメントとは
チームマネジメントとは、メンバーの能力や特性を最大限に引き出し、メンバーが協力し合える環境を整備することで、チーム全体の生産性を最大化するマネジメント手法です。
具体的には、目標設定、役割分担、進捗管理、コミュニケーション活性化、モチベーション管理などが含まれます。
チームの育成・マネジメント
チームの育成とは
プロジェクトチームの育成は、継続的にプロジェクトチームのメンバーのパフォーマンス及び相互関係を改善することを目的に実施します。
人的資源であるチームメンバーの育成やマネジメント方針については、チーム憲章や資源マネジメント計画書に記載してプロジェクト関係者に周知します。
チーム憲章(Team Charter)とは
チーム憲章とは、チームの目的・目標や運営方法などを記述したプロジェクト文書です。
チームの意思決定の方法、コンフリクト解消のための方針、コミュニケーションのガイドラインなどを定めます。
チーム憲章を作成することで、チームはより組織化され、各メンバーが自分の役割と責任を理解し、効率的で協力的な作業環境を作ることができます。
タックマンモデル
タックマンモデルとは、組織のあり方を誕生から解散までの発展段階に分けて考える概念です。
心理学者のブルース・W・タックマンによって1965年に提唱されたチームビルディングに関する考え方のモデルです。
以下の5段階のステージで組織作りを行います。
| 段階 | 説明 |
|---|---|
| Forming(形成期) |
形成期は、チームが新たに結成された初期段階であり、メンバー間の相互理解はまだできていない状態です。 チームリーダーは、チーム全体の成功ビジョンを共有して、目標達成に向けた動機付けを促します。 |
| Storming(混乱期) |
混乱期は、異なる意見によって混乱や対立が起こる段階です。 チームリーダーはコンフリクトマネジメントを実施して、議論を重ねながら相互理解を深めるように促します。 |
| Norming(安定期) |
安定期は、チーム内の役割分担が決定して、メンバー間に信頼関係が築かれていく段階です。 チームリーダーは日常的な議論の内容を把握し、必要に応じて適時に軌道修正を行うことが求められます。 |
| Performing(遂行期) |
遂行期は、チームとしてよく機能して、課題に効果的に対処できる段階です。 チームリーダーの役割は、この成熟した状態をできるだけ長く維持することにあります。 |
| Adjourning(解散期) |
解散期は、目標を達成してチームを解散する段階です。 チームリーダーは、メンバーへ激励や感想を述べて、チーム活動を締めくくれる雰囲気作りをします。 |
組織設計の原則
組織設計の原則とは
組織設計の原則とは、組織を効率的かつ効果的に機能させるための5つの原則を示したものです。
| 原則 | 説明 |
|---|---|
| 専門化(分業)の原則 | 役割を分担し、その専門性を高めることにより、仕事の効率を向上させる。 |
| 権限・責任一致の原則 | 業務責任者には、その責任を遂行するために必要な権限も同時に付与されるべきである。 |
| 統制範囲の原則 | 一人の管理者が効果的に管理・監督できる部下の人数には限界がある。 |
| 命令統一性の原則 | 各メンバーは、一人の管理者からのみ命令を受けるべきである。 |
| 例外の原則(権限委譲の原則) | 管理者は、定型的な意思決定をメンバーに任せ、非定型的、例外的な意思決定を行う。 |
集団思考(groupthink)
集団思考とは
集団思考とは、イェール大学の研究心理学者アーヴィング・ジャニスが提唱した、集団で意思決定を行う際に不合理な決定がなされてしまう心理学的な現象です。
これは、強い連帯感を持つチームにおいてメンバーの同調意識が過剰になり、批判的思考や多角的な検討が失われることで、危険な意思決定が容認される現象を説明するものです。
集団思考の8つの兆候
| 原則 | 説明 |
|---|---|
| 集団の不死身の幻想(無敵感の幻想) | 自分の集団は失敗することがなく、万が一失敗しても存続すると考える傾向。 |
| 道徳的優位の幻想 | 集団固有の道徳や規律は当然のことで、それを疑う必要はないと考える傾向。 |
| 敵対集団のレッテル貼り(ステレオタイプ化) | 他の集団を敵とみなし、その意見を拒否する傾向。 |
| 自己検閲 | 集団内で不協和音を立てたくないという心理から、メンバーが自分の意見を抑制する傾向。 |
| 全員一致の幻想(合意の幻想) | 多数の沈黙や控えめな意見を、全員が同意しているものと解釈する傾向。 |
| マインドガード(心の警備) | 集団内のメンバーが、グループに批判的・否定的・異なる意見が入ってくるのを積極的に阻止する傾向。 |
| 合理化(集団の決定を正当化) | 集団が下した判断や行動について、その結果が出た原因を他人に転嫁する傾向。 |
| 同調圧力 | 集団の意見に反対するメンバーに対して、集団の統一を維持するために圧力をかける傾向。 |