進化的プロトタイピング(Evolutionary Prototyping )
進化的プロトタイピングについて
進化的プロトタイピングとは
進化的プロトタイピングとは、開発したプロトタイプを使い捨てることなく、正式な開発開始にも継続的に改良して完成させていく開発手法です。
この手法は、製品要件がまだ明確でない場合や、テクノロジーが十分に理解されていない場合に有効なアプローチです。
進化的プロトタイピングは、ブレッドボード(電子回路の実験や試作をするための板)・プロトタイピングとも呼ばれます。
プロトタイプを検証しながら仕様を決定していく
進化的プロトタイピングでは、設計段階で詳細なシステム仕様を決める必要はありません。
大まかな方向性と仕様を決めたら、プロトタイプの作成に着手し、そのプロトタイプを検証しながら詳細な仕様を検討していきます。
つまり、要求仕様を完全に把握する必要はなく、仕様が明確となっている部分から開発に着手することができます。
システムの完成像を共有できる
プロトタイプをそのまま本番環境に流用するため、発注側と開発側で完成イメージを共有でき、より協力的に開発を進めることができます。
また、実際に稼働するシステムを触ることで、仕様漏れや不具合を早期に発見して、修正していくことが可能となります。
このことは、より高品質で洗練されたシステムが構築できることを意味します。
進化的プロトタイピングの注意点
開発リソースを余らせてしまう
進化的プロトタイピングでは、試作品の検証やフィードバックを基にして、開発を進めていきます。
そのため、検証やフィードバックが遅れると開発を進めることができず、開発リソースを余らせてしまいます。
進化的プロトタイピングの場合、並列的に別作業を進めることが難しいので、結果的に余計な開発をコストかけてしまう可能性があります。