プロジェクトガバナンスについて

プロジェクトガバナンスとは

プロジェクトガバナンス(Project governance)とは

プロジェクトガバナンスとは、プロジェクトに関わる一連のプロセスを指揮し、監視し、コントロールする枠組みのことです。
ISO 21500では「組織を指揮しコントロールする枠組み」と定義されています。

プロジェクトガバナンスは、個々のプロジェクトよりも上位においてコントロールを行う枠組みです。
そのため、プロジェクトガバナンスを維持する責任は、プロジェクトを承認して経営的判断を下すプロジェクトスポンサ、又は上級経営レベルでの指導をするプロジェクト運営委員会にあります。



プロジェクトガバナンスの役割

プロジェクトガバナンスは、プロジェクトがその目標を達成し、組織の全体的な戦略に貢献することを保証します。
例えば以下のような役割を遂行しますが、これ以外にも対応する内容は多岐にわたります。
・プロジェクトの実行・管理について責任と権限を明確にする。
・プロジェクトの意思決定を支援する。
・使用するリソースを承認する。
・法令が遵守されているかを監視する。


【参考】ガバナンス(governance)とは

ガバナンスとは、組織の所有者が組織行動をコントロールするための仕組みを意味します。
つまり、組織が目的達成に向けて適切に行動するように誘導し、その長期的な維持・存続・発展を可能にするために、採られる全ての統治・支配行動を指しています。
ガバナンス(governance)は、管理、制御、支配、統治という意味の英語です。


【参考】コーポレート・ガバナンス(企業ガバナンス / 企業統治)とは

コーポレート・ガバナンスは、企業経営を管理監督する仕組みのことです。
企業経営において透明性や公正性を確保し、株主や利害関係者の権利を尊重するための取り組みともいいます。
このことから、一般的には、組織の不正や不祥事を防ぎ、経営において公正な運営がなされるよう統制する仕組みと認識されています。
会社と株主との関係が円滑な状態を「コーポレートガバナンスが保たれている」と表現します。


ステアリングコミッティ(Steering Committee)

ステアリングコミッティとは

ステアリングコミッティとは、プロジェクトにおける全体の利害調整や最終的な意思決定を行う組織のことです。
単語はそれぞれ英語で、Steeringは「舵取り」、Committeeは「委員会」を意味することから、舵取り委員会とも呼ばれます。
また、「ステコミ」や「SC(エスシー)」など略して呼ばれることもあります。

大規模なプロジェクトの場合には、ステアリングコミッティは、経営者や役員、プロジェクト統括者などの社内メンバーだけでなく、株主・顧客・事業パートナーといった外部ステークホルダーも含めて構成されます。
エンドユーザーからの視点でマネジメントを見るために、研究者や専門家をメンバーに加えて高い知見を取り入れることも有効とされています。
また、実質的な議論に集中するために、参加者は多くても10人程度までが推奨されています。

小規模なプロジェクトや社内で運営されるプロジェクトなどの場合には、役員や部門長など上位の役職者で構成されます。
部門間調整が必要なプロジェクトであれば、他部門の関係者を招集することは、プロジェクトにとって非常に有益となります。

ステアリングコミッティは、月に1回、または隔月に1回といった定期的なペースで開催します。
外部からメンバーを招じるためにも、開催日程をあらかじめ年間ベースで決めておくことが一般的です。
また、緊急時に急遽開催されることもあります。


ステアリングコミッティの役割

ステアリングコミッティの役割は、プロジェクトの舵取りをすることです。
現場レベルでは決定できない重要な課題について、上位マネジメント(事業部長やプロジェクト・スポンサー)にエスカレーションして、組織としての決断を行います。
その他にも、紛争やトラブルの解決、予算措置、稼働時期の調整など重要事項を審議する役割も果たします。


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