投資評価について
投資対効果の分析手法について
ROI(Return on Investment:投資対効果率)
投資対効果率は、投資に対する収益性を評価する指標です。
ROIは投資利益を投資額で割った値で求めます。
ROI(投資対効果率)= 利益金額 ÷ 投資金額×100(%)
例えば、あるプロジェクトに500万円の投資を行い、1年後に700万円の収益を得た場合、
(700万円 - 500万円) ÷ 500万円 = 0.4と計算し、ROIは40%となります。
PBP(Payback Period:投資回収期間)
PBPとは、キャッシュフローベースで初年度の投資によるキャッシュアウトを何年後に回収できるかという指標です。
言い換えれば、投資を行った金額を収益で回収するまでの期間を評価する指標です。
回収期間法やPPM法(payback period method)とも呼ばれます。
例えば、あるプロジェクトに500万円の投資を行い、年間で100万円の収益を得る場合、PBPは5年となります。
PBPが短いほど、投資回収が早いことになります。
NPV(Net Present Value:正味現在価値)
正味現在価値は、将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いた値を合算したものです。
言い換えれば、将来のある時点におけるお金の価値を、現在のお金の価値に換算したものといえます。
NPV(正味現在価値)= 投資によるキャッシュフローの現在価値 - 初期投資額
正味現在価値がプラスの場合、投資は価値があると判断されます。
逆に、マイナスの場合は投資が損失を招く可能性があると考えられます。
例えば、当該投資の初期投資額が500万円、投資よって得られるキャッシュフローの現在価値が550万円とします。
この場合、NPVは50万円です。
NPV > 0ですので、企業価値を高めるため、企業は投資をすべきといえます。
IRR(Internal Rate of Return:内部収益率)
内部収益率は、投資によって得られるキャッシュフローと投資額が等しくなる割引率を示す指標です。
IRRは、投資において最低限達成しなければいけない目標の利益率と考えられます。
IRRが高いほど、投資は収益性が高いと言えます。
IRRの計算には数学的な手法が用いられるため、ソフトウェアや表計算ソフトなどで計算することが一般的です。
その他の投資評価手法について
DPP(Discounted Payback Period:割引回収期間法)
DPPは、現在価値に置き換えた毎期の回収額を合計していき、初期投資額が回収される期間を計算する技法です。
PBP法を一部改善したものであり、キャッシュフローの現在価値で計算することで割引率を適用したものです。
原価比較法
原価比較法は、2つ以上の代替案の原価を比較し、投資案を評価する方法です。
年額原価法とも呼ばれます。
CVP分析(損益分岐点分析)
CVP分析とは、製品・サービスを生み出すためにかかるコストとその販売量をもとに利益を算出し、損益分岐点を分析する手法です。
Cost(コスト)・Volume(販売量)・Profit(利益)の頭文字をとっています。
ARR法(Accounting Rate of Return method:会計的利益率法)
会計的利益率法は、投資から期待される年々の平均利益を分子とし、総投資額を分母とすることで求められる比率の大小に基づき、投資案を評価する手法です。