フリーランスエンジニア-税金について

フリーランスエンジニアが納める税金について

フリーランスエンジニア(個人事業主)が納める税金は以下の通りです。

  • 住民税(道府県民税+市町村民税)
  • 国民健康保険税
  • 国民年金
  • 所得税
  • 個人事業税
  • 消費税

住民税(道府県民税+市町村民税)

住民税とは、その年の1月1日時点で居住しているところ(原則として住民票の住所)で課税される税金です。

地方公共団体の一員として行政サービスを受けているという考えにより徴収される税金となります。


住民税の納税額

住民税の納税額は、所得割と均等割によって計算されます。

  • 均等割
    • 均等割は、所得金額にかかわらず、一定額で課税されます。(各市町村によって税額は異なります)
    • 標準税額は「都道府県民税(年額一律1,000円)」と「市区町村民税(年額一律3,000円)』の合計で「年額一律4,000円」となります。
  • 所得割
    • 所得割は「前年の1月から12月まで」の1年間の所得を基準に税額が計算されます。
    • 所得割額=(前年の総所得金額等-所得控除額)×税率-税額控除額です。
    • 標準税率は「都道府県民税4%」と「市区町村民税6%」の合計10%となります。

住民税の納税方法

フリーランスによる住民税の納税方法は「普通徴収」となります。

  • 普通徴収
    • 事業所得者や公的年金所得者など、給与から住民税を差し引くことができない方などを対象とした納税方法です。
    • 通常、毎年6月に、市町村(または特別区)から納税義務者に「税額通知書(納付書)」が送付され、市区町村役場や金融機関などの窓口で支払います。
    • 納期は6月・8月・10月・1月などの年4期となっていますが、支払い月は各市区町村によって異なります。
  • 特別徴収
    • 給与所得者(サラリーマン)に適用され、事業主がその年の6月から翌年の5月までの12回に分けて給与から天引きし、事業主が取りまとめて住民税を納付する方法です。

国民健康保険税

日本の健康保険は「国民皆加入制」であり、日本国民である限り必ず支払う必要があります。

健康保険は、保険証の提示と医療費の一部自己負担を行うだけで、全国どこでも平等に医療サービスを受けられるようになる税制です。


健康保険の切り替え手続き

サラリーマンから個人事業主になった場合、国民健康保険への加入手続きが必要になります。

国民健康保険に加入するには、居住地を管轄している市区町村の役所で、国民健康保険の手続きを行います。

なお、健康保険の加入先は職業によって次のように分かれています。

国民健康保険 (国保) 自営業者、無職の人など、及びその家族
全国健康保険協会(協会けんぽ) 主に中小企業の従業員、及びその家族
組合管掌健康保険(組合健保) おもに大企業の従業員、及びその家族
共済組合 公務員、私立学校の教職員、及びその家族

国民健康保険税の納税額

国民健康保険の保険料または保険税は、各市町村によって金額が違います。

通常、住民税と比べてかなりの高額を納めることになります。

国民健康保険税は、社会保険料控除として、所得税の確定申告の際に収入から差し引くことができます。


国民健康保険税の納税方法

国民健康保険税は世帯を単位として、世帯主が納付義務者になります。

納税方法は、金額が大きいため、年間をいくつかの期に分けて納付する方法、毎月割りで納付する方法など、自治体によって異なります。

年払いで一括前納すると「納税奨励金」といって、多少の割引をしてくれる自治体もあるようです。


国民年金

国民年金は、学生を除く(学生の強制加入は1991年4月から)20歳以上60歳未満の日本に住むすべての人を強制加入する制度です。

老齢者が文化的な生活を営めるように国が管理するための税制です。


厚生年金から国民年金への切り替え

フリーランス(個人事業主)は、年金を「国民年金」に切り替える必要があります。

手続きは、居住地を管轄している市区町村の役所にて行います。

退職年月日が確認できる書類(離職表など)と年金手帳を持参の上、手続きを行います。


国民年金の支払い

国民年金は定額です。一ヶ月の納付金額は第1号の被保険者は15,040円(平成25年度)。

国民年金は、社会保険料控除として、所得税の確定申告の際に収入から差し引くことができます。


所得税

所得税とは、所得に対して課される税金です。

富裕層から多額の税を徴収する(累進課税)ことで、社会全体で「所得の再配分」を行うことを目的にした税制です。


所得税の納税方法

フリーランス(個人事業主)の所得税は、「確定申告」にて申告を行います。

1月1日~12月31日の収入について、翌年2月16日~3月15日の間に、居住地を管轄する税務署に申告し納税します。

個人事業主の所得税計算は以下の通りです。


所得税=収入金額-必要経費-各種控除

個人事業税

個人事業税とは、各都道府県内に事務所又は事業所を設け、事業所得などの金額が事業主控除額(290万円/年)を超える個人が対象となる税金です。

現在、法定業種は70の業種がありますが、そのほとんどの事業が該当します。


納税方法

確定申告を行っていれば、住民税と同様に、自動的に対象者に納付書(納税通知書)が送られているようになっています。


前年の所得に対して、翌年課税される仕組みで、後払いの納税となります。

対象者は翌年の3月15日までに個人事業税の申告書を、事務所又は事業所所在の所轄税務署に提出しなければなりません。

個人事業税の税額計算は以下の通りです。


個人事業税=課税所得金額-事業主控除(290万円)×税率5%(~3%)

消費税

フリーランス(個人事業主)の基準期間は1月1日~12月31日ですが、この期間の課税売上高が「1,000万円」を超える場合には、消費税の納税義務が発生します。


課税売上高が1,000万円を超えた事業者は、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を速やかに納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

なお、1,000万円以下の売上であれば非課税となります。


雇用保険、労災保険など

フリーランスは加入の必要がありません。



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