人間関係の2:7:1の法則とは
カール・ロジャースの2:7:1の法則とは
2:7:1の法則とは
2:7:1の法則とは、アメリカ合衆国の臨床心理学者カール・ロジャースが提唱した、人間関係における経験則です。
この法則は、自分の周りにいる10人を観察した場合に、2人が気の合う人、7人のどちらでもない人、そして1人は気が合わない人であるといった考え方です。
10人に1人は必ず気が合わない人がいるので、人から嫌われたからといって、それは社会組織のメカニズムとして当然の事象となります。
ユダヤ教の教え
ユダヤ教の教えであるタルムードにおいて、人間関係を以下のように言及しています。
(タルムードとは、ユダヤ教の口伝律法と学者たちの議論を書きとどめた議論集です。)
10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。
あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。
そして10人のうちの2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。
残りの7人は、どちらでもない人々だ。
全員から好かれることはあり得ない
あなたのコトを嫌いな人がいる。これはごく自然な、当たり前のことです。
例えば学校で1クラスに30人もいれば、少なくとも3人からは嫌われているのです。
もしも、全員から好かれようとすると、それは自分を偽り続けて、人ごとに違う人物を演じる、おかしな人なのです。
精神衛生を苦しめてまで「必ず嫌う人」に好きになってもらう必要はないと思います。
必ず好いてくれる人や周りの人に気を遣うべき
10人もいれば、「必ず好いてくれる人」がいます。
嫌われていることに気を病むよりも、気の合う人と仲良くすることに時間を使うべきです。
ただし、7人のどちらでもない人たちから嫌われることは避けるべきです。
どちらでもない人たちから嫌われることはということは、あなたが間違った振る舞いをしているということです。
ろばを売りに行く親子
内容
ロバを飼っていた父親と息子が、そのロバを売りに行くため、市場へ出かけた。
2人でロバを引いて歩いていると、それを見た人が言う、
「せっかくロバを連れているのに、乗りもせずに歩いているなんてもったいないことだ」。
なるほどと思い、父親は息子をロバに乗せる。
しばらく行くと別の人がこれを見て、
「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんて、ひどいじゃないか」
と言うので、なるほどと、今度は父親がロバにまたがり、息子が引いて歩いた。
また別の者が見て、
「自分だけ楽をして子供を歩かせるとは、悪い親だ。いっしょにロバに乗ればいいだろう」
と言った。それはそうだと、2人でロバに乗って行く。
するとまた、
「2人も乗るなんて、重くてロバがかわいそうだ。もっと楽にしてやればどうか」
と言う者がいる。それではと、父親と息子は、こうすれば楽になるだろうと、ちょうど狩りの獲物を運ぶように、1本の棒にロバの両足をくくりつけて吊り上げ、2人で担いで歩く。
しかし、不自然な姿勢を嫌がったロバが暴れだした。不運にもそこは橋の上であった。暴れたロバは川に落ちて流されてしまい、結局親子は、苦労しただけで一文の利益も得られなかった。
※この話は、一般的にはイソップ寓話であると言われるが、もとはポッジョの『笑話集』に収録されていたもののようです。
教訓と考察
この話の教訓は、人の意見に振り回されていると、できたはずのことができないことになってしまう、ということです。
何をしても必ず誰かから批判はされるものです。すべての人から賞賛されることはありえません。すべての人を納得させることは不可能です。
であるならば、自分がよいと思うことをやり遂げるべきです。