音楽理論_コードヴォイシング

転回(Inversion)について

和音の配置について

コードは、構成音をオクターブ移動しても、オクターブで重ねたりしても、同じコードであるとみなします。

例えばCM7コードなら基本配置である「ドミソシ」以外にも、「ソシドミソ」と配置してもCM7コードとみなします。

ただし、音の並び方が変わると、響きの印象が大きく変わりますので最適な配置を考える必要があります。


転回形について

コードのルート(根音)以外の音を最低音に配置する事を「転回」といいます。

  • 基本形
    • コードのルート音を最低音とするコードのこと。
    • 例えばCM7コードなら、「ドミソシ」の積み重ね方となります。
  • 第1転回形
    • コードの3度を最低音とするコードのこと。
    • CM7コードなら、「ミソシド」の積み重ね方となります。
  • 第2転回形
    • コードの5度を最低音とするコードのこと。
    • CM7コードなら、「ソシドミ」の積み重ね方となります。
  • 第3転回形
    • コードの7度を最低音とするコードのこと。
    • CM7コードなら、「シドミソ」の積み重ね方となります。

なお、コードの9度(2度)を最低音とするコードを第4転回形といいます。


コードヴォイシング(Chord Voicing)

コードヴォイシングとは

コードヴォイシングとは、和音の配置(構成)方法のことです。

例えば、Cメジャーコードを下(低い音)から「ド・ミ・ソ」と弾いた和音と、「ミ・ソ・ド」と弾いた和音では、構成する音が同じでも印象が違って聴こえます。

同じコード進行の曲でも、どのようにヴォイシングを行うかで楽曲の印象が大きく変わります。


クローズヴォイシング(Close Voicing)

クローズボイシングとは、五線譜上で出来るだけ音符が平行に並ぶように和音を配置することです。

和音の構成音が1オクターブ範囲内に収まるように、多くの場合、転回形を利用します。

クローズボイシングはコードの変化が小さく聞こえるので、鋭いアタック感や速いパッセージを生む際に向くボイシングです。


オープンヴォイシング(Open Voicing)

オープンヴォイシングとは、和音の構成音が1オクターブ以上の範囲に置くように和音を配置することです。

最低音と最高音の間が広くするので、五線譜上では音符が離れている状態になります。

オープンボイシングは音に広がりが出るのが特徴的であり、スローテンポの曲に向くボイシングです。


コード構成音について

コードの構成は、トップノート(最高音)、ルート音(最低音)、内音(それ以外の構成音)に分けられます。

人間の耳は、「トップノート→ルート音→内音」の順番に聞き分ける特性があります。


トップノートが全く変化しないボイシングにすると、コード進行が希薄に聞こえてしまいます。

ルート音が全くしないボイシングにすると、コードが変化していないように聞こえてしまいます。

各構成音をどのように遷移していくかを考えてボイシングすることが重要です。


分数コード

分数コードとは

分数コードとは、本来のルート音とは違う音をルート音を指定する場合の表記方法です。

コードは分数の形で、以下のように表記します。


コード/ベース音

また、分数コードは「オン・コード」とも呼ばれ、以下の形で表記することもあります。


コード on ベース音

例えば、「G/B(もしくはGonB)」ならばGコードの基本形「ソ・シ・レ」ではなく、「シ・レ・ソ」などB音がルートにあることを示します。


分数コードの特徴

分数コードは、ルート音(ベースライン)を滑らかに進行させたい時などに効果的です。

例えば、「C -> G -> Am -> C -> F -> C -> F -> G」というコード進行は、そのままではルート音が大きく動くことになります。

これを「C -> G/B -> Am -> C/G -> F -> C/E -> F -> G」とするとルート音が1度ずつ移動するので滑らかに聞こえることとなります。


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