音楽理論_スケール
スケール(音階)について
スケール(Scales)とは
スケールとは、1オクターブの範囲で高さの順に音を並べたものです。
音律により割り出した音をどのように並べるか(音階を作成するか)によって、楽曲の印象が大きく変わります。
現在の音楽では、平均律(12等分平均律)を基準にした音階が多く使われています。
- 半音階(クロマティック・スケール:Chromatic scale)
- 平均律(12等分平均律)のすべての音(半音)を間隔とした音階です。
- ギターのフレットをそのまま昇順にした音階です。
- 全音階(ダイアトニックスケール:Diatonic Scale)
- 平均律(12等分平均律)を基にして、5つの全音と2つの半音を間隔とした音階です。
- ピアノの白鍵をそのまま昇順にした音階であり、多くの楽器で用いられています。
- 長音階(メジャースケール)、短音階(マイナースケール) などがあります。
トニック(Tonic)とは
トニックとは、スケールの起点になる音です。
「主音」、「トーナル・センター(tonal center)」とも呼ばれ、スケールの中心(開始音)となる音を指します。
CメジャースケールであればC、DマイナースケールならばDがトニックになります。
リーディング・ノート(leading note)とは
リーディング・ノートとは、トニックの半音下の音です。
「導音」、「サブトニック」などと呼ばれることもあります。
トニックへ導く(主音に行きたがる)性質を持ち、主音に進んで終わりたいという感覚を起こさせる音です。
調(Key)とは
調とは、楽曲を秩序づけている、ある主音を中心に組み立てられた音の体系のことです。
簡単にいえば、主音(トニックの高さ)と音階(スケールの種類)により決まる曲のシステムです。
「曲のキーを半音下げる」といった場合、トニックを半音下げて、同じスケールを使うという意味になります。
音階の性質として、明るい雰囲気の方が「長調(Major)」、暗い方が「短調(Minor)」です。
曲の中心となる調を主調(tonic key)と呼びます。
例えば、Cを主調とするメジャースケールは「Cメジャー(ハ長調)」というキーの基盤となります。
メジャースケール
ナチュラル・メジャー・スケール(自然的長音階)
ナチュラル・メジャー・スケールは、メジャー・キー(長調)の基盤となるスケールです。
現代音楽の基本となる「ドレミファソラシド」の音階です。
3度と4度の間と、7度と8度の間だけ半音になります。
メジャー・スケール : P1 M2 M3 P4 P5 M6 M7 P8
マイナースケール
マイナーの楽曲では、以下の3種類のマイナースケールを混用します。
なぜなら、ナチュラル・マイナー・スケールだけでは、音楽的に扱いづらいという理由があります。
例えば、曲の出だしはナチュラル・マイナー・スケールを用いて、曲の終りにハーモニック・マイナー・スケールを用いるといった手法がよく使われます。
ナチュラル・マイナー・スケール(自然的短音階)
メジャースケールを6度から始めるとナチュラル・マイナー・スケールになります。
つまり、メジャースケールの3、6、7度の音を半音下げる構成になります。
メジャー・スケール : P1 M2 M3 P4 P5 M6 M7 P8
ナチュラル・マイナー・スケール : P1 M2 m3 P4 P5 m6 m7 P8
このスケールでは「導音」が含まれていないので、曲が終りに向かう感覚が出せない問題があります。そこで、ハーモニック・マイナー・スケールが考案されました。
ハーモニック・マイナー・スケール(和声的短音階)
ナチュラル・マイナー・スケールの7度を導音(リーディングノート)に変更します。
ナチュラル・マイナー・スケール : P1 M2 m3 P4 P5 m6 m7 P8
ハーモニック・マイナー・スケール : P1 M2 m3 P4 P5 m6 M7 P8
ハーモニック・マイナー・スケールの6度と7度が増2度であり、メロディーとして扱いにくい(不自然)という問題があります。そこで、メロディック・マイナー・スケールが考案されました。
メロディック・マイナー・スケール(旋律的短音階)
ハーモニック・マイナー・スケールの増2度部分(6度と7度)を半音下げる(長2度に変更する)とメロディック・マイナー・スケールになります。
結果、メジャースケールの3度を半音下げる構成となります。
ハーモニック・マイナー・スケール : P1 M2 m3 P4 P5 m6 M7 P8
メロディック・マイナー・スケール : P1 M2 m3 P4 P5 M6 M7 P8
メジャー・スケール : P1 M2 M3 P4 P5 M6 M7 P8
ナチュラル・マイナー、ハーモニック・マイナー、メロディック・マイナーの3種類は、トニックから5度までは共通です。
マイナーキーの曲では、これらを音楽的表現の必要に合わせて使い分けます。
平行調について
平行調とは「調号が同じ長調、短調の組み合わせ」です。
長音階には必ず、使っている音が同じである短音階が存在します。
平行調は共通の和音が多く有り、転調といえないくらいスムーズに中心音が交替する特徴があります。
短調は、長調の6度上の音の名前になっています。
長音階の第6音を主音とした短音階が平行調です。
短音階の第3音を主音として長音階が平行調です。
調号なし : C Major - A Minor
♯1個 : G Major - E Minor
♯2個 : D Major - B Minor
♯3個 : A Major - F Sharp Minor
♯4個 : E Major - C Sharp Minor
♯5個 : B Major - G Sharp Minor
♯6個 : F Sharp Major - D Sharp Minor
♯7個 : C Sharp Major - A Sharp Minor
♭1個 : F Major - D Minor
♭2個 : B Flat Major - G Minor
♭3個 : E Flat Major - C Minor
♭4個 : A Flat Major - F Minor
♭5個 : D Flat Major - B Flat Minor
♭6個 : G Flat Major - E Flat Minor
♭7個 : C Flat Major - A Flat Minor