作業工程表について

作業工程表について

作業工程表とは

作業工程表とは、プロジェクトにおける作業の日程や工数などをまとめたスケジュール管理表のことです。
作業工程表を作成することで、具体的な作業順序や役割分担を明確にして、作業の進捗状況を可視化することができます。
多くの場合に、工程表にマイルストーンを設置することで、進捗状況を確認しやすくする工夫を行います。


マイルストーン(Milestone)とは

マイルストーンとは、計画の進捗を示すチェックポイントのことです。
予め設置したマイルストーンへの到達具合を把握することで、計画の遅れや作業の抜け漏れを防止することができます。

マイルストーンの語源は、街道に1マイル(1600m)ごとに設置した中間地点の距離を表すための標石です。
なお、日本にも同様のものとして、一里塚というものがあります。


ガントチャート(Gantt chart)について

ガントチャートとは

ガントチャートとは、縦軸にタスクの内容や担当者などを記載し、横軸に作業の進捗率を記載した、作業に必要な期間を横棒の長さで表記する図法です
この表は、作業日程について予定と実績を対比することや、作業中の項目を視覚的に把握できるため、進捗管理に適しています。

ガントチャートは、1910年代にアメリカ人の機械工学者であったヘンリー・ガント氏(henry gantt)によって考案された手法です。
20世紀初頭におけるアメリカの大量生産に適した進捗管理方法として生み出されたといわれています。



ガントチャートの注意点

ガントチャートは、作業の相互関係の把握には適しません。
あくまでガントチャートには、予定と実績の情報のみが記載されます。
作業の順序関係や依存関係、作業遅れによる他の作業への影響などといった情報を把握するためには、PERTチャート図などを用いる必要があります。


イナズマ線について

イナズマ線とは、ガントチャート上で各タスクの進捗具合に合わせて線を引き、各タスクの進捗状況を可視化する仕組みです。
イナズマ線を用いることで、タスク間の進捗状況やどこの工程が遅れているかを把握することが容易になります。
なお、語源は、各タスクの現在進捗率を示す点に対して線を描くと、稲妻のようなギザギザの線ができることに由来します。



(参考)バーチャート工程表(schedule bar chart)とは

バーチャートとは、縦軸に作業項目(タスク)、横軸に作業を行う日付を記入したスケジュール予定表のことです。
必要な作業がいつ始まって、どの程度日数がかかり、いつ終わるのかについて、視覚的に確認することができます。

ガントチャートと非常に似ていますが、ガントチャートは管理表に適しており、バーチャートは予定表に適しています。
とはいえ、バーチャートは、ガントチャートの横棒を予定スケジュール日で埋めたものと同じ表となります。


マイルストーンチャート(Milestone chart)について

マイルストーンチャートとは

マイルストーンチャートとは、マイルストーンを記入したスケジュール表のことです。
この図は、プロジェクトにおける短期的なゴールを示すものであり、プロジェクトメンバーやステークホルダに進捗の概要を周知することに役立ちます。

マイルストーンチャートは、しばしばガントチャートにマイルストーンを記入しただけのもので代用されることもあります。



PERT(Program Evaluation and Review Technique)チャートについて

PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは

PERTとは、プロジェクト完遂のために必要なタスクを洗い出し、タスクの相互関係を明確にすることで、プロジェクトを効率的に達成する手法のことです。
特徴として、プロジェクトを構成する工程の前後関係を一覧化して、これを把握しやすい図を作成し、図を用いて計画や管理を行います。
PERTにおいて用いられる図をPERT図(PERTチャート)といいます。

PERTは、1950年代に米海軍で弾道ミサイル開発プロジェクトのために考案された手法といわれています。
この時にコンサルティングを担当したブーズ・アレン・ハミルトン社(Booz Allen Hamilton Inc.)が発明したといわれています。


PERTチャートとは

PERTチャートとは、線表を矢印で相互接続した図(アローダイアグラム)です。
作業の順序関係や依存関係、作業遅れによる他の作業への影響などといった情報を把握することができます。



アローダイアグラムとPERTチャートの違いについて

アローダイアグラムとPERTチャートは、全く同じ記述ルールの図です。
いわば、アローダイアグラムを使ったスケジュール管理がPERTです。
そして、PERTで使う図がPERT図です。



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