プロジェクトスコープ記述書について
プロジェクトスコープ記述書とは
プロジェクトスコープ記述書とは
プロジェクトスコープ記述書とは、決定したプロジェクトのスコープを明確にする文書です。
スコープ記述書は、プロジェクトにおける意思決定の基準となるため、重要性の高い文書です。
プロジェクトスコープ記述書の作成意義
スコープ記述書を作成することは、以下3つのメリットがあります。
・プロジェクトの目標と作業範囲を明確にすることで、プロジェクトメンバー間の認識ずれを防ぐこと。
・プロジェクトに対する変更要求を受け付けるか否かの判断基準となること。
・(次の工程である)WBS作成において必須となる全体スコープを明確にすること。
スコープ(Scope)とは
プロジェクトにおけるスコープとは
プロジェクトのスコープとは、その名の通りプロジェクトの範囲のことを指します。
スコープ(Scope)は英語で、範囲、領域を意味します。
プロジェクトにおけるスコープには、プロダクトスコープとプロジェクトスコープがあり、プロジェクトスコープ記述書には双方について記載します。
プロダクトスコープ(Product Scope)
プロダクトスコープとは、成果物の機能要件のことです。
プロダクトとは、製品、商品、サービスなどのプロジェクトにおける成果物のことを指します。
プロダクトスコープは、ステークホルダーがどのような成果物を要求しているのかを明確にして、その妥当性を確認します。
プロジェクトスコープ(Project Scope)
プロジェクトスコープとは、成果物を生み出すために必要な作業の範囲のことです。
プロジェクトの目標を達成するために行わなければならない全てのタスクや活動、成果物を明確にします。
スコープクリープ(Scope creep)
スコープクリープとは
スコープクリープとは、プロジェクトの成果物がプロジェクトのスコープを超えて肥大化することを指します。
クリープ(creep)とは、這う、忍び寄る、徐々に変形する、という意味の英単語です。
意味合いとしては、工学におけるcreep現象(物質が長時間にわたって一定の力にさらされていると、徐々に変形していく現象)と類似しています。
スコープクリープはプロジェクトの失敗、デスマーチ化につながる直接的な要因です。
スコープクリープを回避するには、スコープ定義を文書化して共有・周知すること、プロジェクトへの要求変更・追加作業を厳格化することなど対応が必要となります。
作業範囲記述書(SOW:Statement Of Work)
作業範囲記述書とは、そのプロジェクトの目標やスコープ(成果物、仕様、作業工程、作業内容)、および各作業主体の役割・分担・権限などを定義した文書です。
作業範囲記述書は、発注者と制作者が双方で作り上げる文書であり、プロジェクト上における認識違いや齟齬を防ぐことに有効です。
文書が関係者に共有されることで、スコープクリープの発生や様々なリスクを回避することに役立ちます。
なお、作業範囲記述書は、WBSを作成後、リソース割り当てが完了した後で作成する文書です。
変更管理委員会(CCB:Change Control Board)
変更管理委員会とは、プロジェクトの計画変更が発生した場合に、その変更内容を精査し、承認または棄却を決定する組織です。
変更管理委員会が客観的視点から変更内容を判断し、変更管理を実施することで、スコープクリープの発生を予防できます。
詳細は変更管理を参照ください。
関連ページ
- プロジェクトマネジメント
- プロジェクトスコープ記述書の作成
- WBS(Work Breakdown Structure)の作成
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