予備設定分析(Reserve analysis)について

予備設定分析とは

予備とは

予備とは、「必要なときのために、前もって用意しておくこと」です。
つまり、プロジェクトにおける予備とは、計画外に確保しておく時間やコストのことを指します。
予備は一般に「バッファ」と呼ばれるもの

Project Management Instituteでは予備費のことを以下のように定義しています。


予備費とは、プロジェクト目標を超過してしまうリスクを組織が受容できる水準まで低減するため、
プロジェクトの見積りに上乗せして計上する資金、予算

予備設定分析とは

予備設定分析とは、プロジェクトのスケジュール、予算、コスト見積りを決める際に使用される手法です。
様々なリスクに対してどれほどの予備を設定しておくのかを考えることが予備設定分析の目的です。


コンティンジェンシー予備(Contingency reserve)

コンティンジェンシー予備とは

コンティンジェンシー予備とは、リスク事象に対処するために見積もられた予備の資金や期間のことです。
このリスク事象とは、リスク分析によって特定されたリスクであり、「既知の未知のリスク」と呼びます。


既知の未知(known unknown)

既知の未知とは、存在は認識しているが、対処しようがないリスクのことです。
リスクとして特定したが、発生するかどうかは確実ではなく、また対処にどれほどの予備費がかかるか未知である状況となります。


コンティンジェンシー予備はPMの裁量で使用できる

PMBOKでは、コンティンジェンシー予備はコストやスケジュールなどのベースラインに含まれており、予備を利用するときはプロジェクトマネージャーの裁量で使用することができる、と定義しています。


マネジメント予備(Management reserve)

マネジメント予備とは

マネジメント予備とは、不測の事態が発生した場合に備えるための予備の資金や期間のことです。
不測の事態とは、リスク分析を実施したにもかかわらず事前に特定できないリスクのことで、「未知の未知のリスク」と呼びます。


未知の未知(unknown unknown)

未知の未知とは、存在を認識できておらず、対処法も不明なリスクのことです。
まったく リスクを予期できておらず、また対処にどれほどの予備費がかかるか未知である状況となります。


マネジメント予備はPMの裁量で使用できない

マネジメント予備は、プロジェクトマネージャーの裁量で使用することができません。
マネジメント予備はプロジェクトの総予算に含まれており、使用する場合にはプロジェクトスポンサーに承諾を得る必要があります。
プロジェクトマネージャーは承諾を得るために、プロジェクトスポンサーへ説得する必要があります。


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